授業に対する質問・コメントQeustion and Comments

第3回授業3rd

Q. 航空機の救難の段階に関して、現代におけるGPS等の測位技術向上に伴い、現行航空法の不確実の段階である30分という規定は、やや悠長ではないかと感じました。近年でも無人機の登場により航空法が改訂されたと記憶していますが、救難の段階の改訂に関する議論もあったのでしょうか?航空法の改訂に関する議論は、緊急状態をいかに発信するかという技術的な議論よりやや遅れているのでしょうか?よろしくお願いいたします。

A. ご質問ありがとうございます。私も同感です。30分は長いですね・・。航空法の改訂に関する議論は詳しく存じ上げませんが、第12回のSTMの講義でGNSS(測位衛星システム)で救難に関する国際協力についてご説明します!もう少しお待ちください。

Q. 航空機の登録国についてのお話がありましたが、船舶においては法律・制度上の便益から船舶を運用する国とは別の国に船籍を置くことも多いと聞いたことがあります。航空機においてそのような例はありますか?

A. はい!航空業務も「運用国」があります。第4回航空事故の講義の時にお話しますね!船と航空機にはいろいろ共通点があって面白いですね。

Q. 航空法においては航空機を使用したスパイ行為の禁止とありましたが、宇宙法では「偵察衛星」について検討されているのでしょうか?

A. 良い質問ですね。第5回の講義から宇宙法の基礎が始まりますが、宇宙技術が軍民両用である点や、宇宙空間の軍事利用の歴史について説明する予定です。衛星は通信や気象観測(主に静止軌道)、地球観測(低軌道)・測位(中軌道)など、次々とアプリケーションを広げてきましたが、主な目的は国家安全保障のためという軍事目的となります。講義では地球軌道の説明もします!

C. シカゴ・バミューダ体制について非常に分かりやすく学ぶことができました。 各国の領空の主権を守りつつ、国際社会で円滑な航空機による航行や輸送をするために試行錯誤しながら今日の航空法まで辿り着いた背景を理解したからこそ、かつてソ連が大韓航空機を撃墜した際の国際社会受けた非難の重さをイメージすることができました。

A. コメントを頂きありがとうございます。良かったです!時代背景を理解しますと、当時の議論や条文の趣旨も理解しやすいですよね。

Q. 今日の国際社会で航空機のサイバー攻撃に対する対応について取り組みは行われているのかご教授頂ければ幸いです。

A. シカゴ条約第37条では「航空航法、通信、航空保安施設などに関する国際標準および推奨方式(SARPs)の採用」について定めており、第17附属書(Annex)「航空保安」が関連条項となります。衛星も航空機も、いまやIoT(Internet of Things)化しており、サイバーセキュリティの取り組みはICAOのホームページでも調べられますよ!何か分かりましたら、講義中にぜひご共有ください。

C. 航空救難の項目で、不幸な事故が起きた時の対応まで国際条約で決めてあることは、危機管理の観点で驚くべきことだと感じました。しかしながら、国家の領域主権のためにいくら一刻を争う救難活動とはいえ、無断で他国の領海・領空・領土に立ち入ることは出来ない点はもどかしさを感じました。事故が起きた当該FIRは、多国籍による救難活動を統制しなければならない点で通常の航空交通の安全を維持しつつ同時進行になる点でかなりの負担になるのではないかと感じました。

A. 本当ですね。一刻を争う状況では人命救助を最優先して欲しいですね。現在の航空業界ではコードシェアリングも多く(JALとAir Franceが共同で運航する)、インターネットを通じて、従来よりはより調整がスムーズになっているとは思います。また測位衛星の講義の際に説明させてください!

第4回授業4th

Q. 東京条約は3条で登録国主義を示す一方、4条に「締約国による干渉」を規定しており、この干渉は「航空機を着陸させたり、遅延させたりすること」とありましたが、飛行中の航空機に対する干渉が可能になるということで、着陸後の管轄権の行使(機内での犯罪に関する調査など)は登録国からの委託がなければ実施できないのでしょうか? 飛行中の航空機に対する干渉が管轄権の行使を目的としているため、干渉が許容される時点で、着陸し、扉を開けさせることも許容され、管轄権の行使も認められるということでしょうか?

A. ご質問ありがとうございます。条文そのものには干渉の定義が書かれていませんが、講義資料では説明しておりましたね。管轄権のなかでも刑事管轄権の話でして、その犯罪人が自国民だったり、犯罪が自国に脅威を与える場合など、登録国以外の国も犯人を裁けるように図った条文です。基本的には、飛行中の航空機を力ずくで着陸させるという事態はあまり想定できませんが・・2021年、ベラルーシが領空を通過中だったギリシャ発リトアニア行きのライアンエアー4978便に爆破予告を偽装して警告を出し、首都ミンスクの空港へ強制着陸させました。この着陸は、搭乗していた反体制派のジャーナリストを拘束する目的で行われたもので、国際的な非難を浴びました。これは例とはなりませんが、4条により刑事管轄権が認められる(から強制着陸させてよい)という訳ではなく、民間航空機にはいろいろな国籍の乗客がいるため、登録国だけでなく、他の国にも刑事管轄権(裁判権)を認めるという趣旨になります。

C. 以前、個人的に海洋法について勉強したことがあったのですが、海洋法では公海の自由と旗国制度に対し非常に保守的な態度をとるのに対し、航空法ではよりリベラルな考え方をしているような印象を受け、興味深く感じました。貴重なご講義ありがとうございました。

A. 嬉しいコメントを頂きありがとうございます。そうですね、船と航空機とが大きく異なる点としまして、事故の緊急性かと思います。空の上で起こる計器の不具合と、海の上で起こる計器の不具合とでは、修理できる時間の確保など対応の選択肢が異なってきますね。一方で、公海ではまだまだWi-Fiが使えない場所もある一方で、航空機では乗客は使えますね。宇宙技術もそうですが、法的側面とともに技術的側面にも着目してみましょう!いろいろ理解が深まるかと思います。

Q. 東京条約で定義されている航空機の中における航空犯罪が、地上とは異なる環境である以上、航空機内部の安全や秩序の維持に基づいて定義されていることはよくわかりました。他方で、秩序を乱さないために除外される密輸やスパイ行為が飛行中に発覚した場合は機内に法執行機関の人員が乗り合わせていない場合や、到着地で逮捕されることはないのですか?密輸の場合はその後に税関や手荷物検査を受けるため、改めて発覚するかもしれませんが、それまでの間に証拠物品の廃棄をしたり、スパイ行為についても発覚後は何もせず到着地で機体から降りた場合は逮捕や処罰の対象になるのでしょうか。

A. ご質問ありがとうございます。実際には登場する際に乗客はいろいろなルールに同意をしております。例えばですが、到着地に近づいたころ、ワシントン条約で禁止されている物品を所持していないか申告する申告書を書いたりします。武器や危険物などは空港の荷物チェックで調べられますので・・。基本的には、航空会社の職員は警察ではないため、密輸やスパイ行為といった違法行為は空港がある国で対応します。(例えばですが、オランダでは大麻などのソフトドラッグは合法ですが、オランダ航空(KLM)に搭乗中は合法であっても、日本に到着し、航空機の扉が空いたら犯罪となる・・というイメージです。原則・・ですが・・。)

Q. P7 航空機が「覆没」「倒立」する状況が、まったく想像できませんでした・・。条約の英文から直訳すると、こういう表現になったという解釈でいいでしょうか。

A. ご質問ありがとうございます。運輸省令ですので、日本語かと思いますが、海の上の不時着の場合など、いろいろな場面が想定されているのかと思います。ぜひ専門書などで調べてみてください!

Q. P17 13条「引き渡すもの」とは、どのようなものが想定されているのでしょうか。金、逮捕された仲間、亡命権・・・?

A. ご質問ありがとうございます!東京条約の公定訳をPDFでお配りしておりますが、そちらの方(13条)では「者」でした。犯罪人になります。また、第9条1項を読むと、犯罪人の定義が書かれておりますので、より分かりやすいと思います。

C. P23 フランススタイルの論文構成の話が興味深かったです。今、自分のテーマにとらわれ過ぎている感じがしてきたので(視野狭窄?)、一歩引いて論文構成の枠組みから考えてみようと感じました。

A. 嬉しいコメントをありがとうございます。日本式、欧米式、フランス式、見た目は異なりますが、実は構成要素は同じです!また機会がありましたら番外編をやってみますね。

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