授業に対する質問・コメントQeustion and Comments

第11回授業11th

C. 原子力電源(NPS)を搭載した宇宙機が大気圏内に再突入し日本の領域内に落下する場合における対応について,現行の国の防災基本計画(原子力災害)では専ら地上の原子力施設における災害を想定しており,対応枠組みが十分なものでないようでした.昨今の宇宙先進国におけるNPS搭載宇宙機の開発状況に鑑み,係る対応を検討する余地があると感じました.

A. コメントをありがとうございます。コスモス954号事件のように、損害の規模が広範囲になるリスクや、海洋汚染も考えられます。日本ではNPS搭載の宇宙機をまだ打上げていないかと思いますが、打上げる際には事前に対応措置をとるのが良いですね。

Q. 原子力電源を搭載した探査機が打ち上げに失敗した場合、どのような国際的責任が生じますか?

A. ご質問ありがとうございます。打上げ活動そのものは、どの国にも認められた活動ですので、失敗そのものが何か国際的責任を生じることはありません。ただし、1967年宇宙条約第9条では「妥当な考慮」が求められるため、1992年NPS原則や2009年NPS安全枠組みの履行は重要です。

C. 本日の講義は馴染みのない技術用語や情報がたくさん登場し、なかなか難易度が高いものでした。それでも、米国、ロシア、中国が既に月面における原子力発電所建設に関して動き出しており、特に米国は民間事業者との契約が行われたり、民間事業者が今後取り組みやすくするよう大統領令が発せられたりと、驚くほどかなり具体的な動きまで見せていることを初めて知ることができました。
  一方で、1992年NPS原則など、従来の宇宙国際法では月面におけるNPSの扱いが不明瞭になっているなど、秩序形成途上の課題があることも学びました。

A. 本当ですね。COPUOSのSTSCとLSCとが密に連携して起草したおかげで、1992年NPS原則は本当に技術的な内容です。一方で、技術的な内容だからこそ、多くの国によって遵守されている貴重な規範です。今後、月面でのNPS利用に関し、議論が進むと良いですね。

C. 国家だけでなく、民間企業がどんどん宇宙進出に向けて技術を進化させていくにはそれなりのインセンティブが必要であり、かといってなんでもありにするわけにもいかないなかで、NPS事故が起きた際の賠償責任の程度を決定することは難しいのだろうと感じました。そのバランスを決定する法的な枠組みとそれを設計する学者の方がどんな議論を重ねているのか気になった次第です。

A. コメントをありがとうございます!次回の講義でもお話しますが、つい数年前までは、「宇宙デブリ」「宇宙交通管理」「宇宙活動における持続可能性」などは別々のテーマだったのですが、いまや同じ文脈で議論されるようになり、共通する課題は「いかに民間企業の宇宙活動を国際義務に違反しないように規制するか」という点です。1967年宇宙条約第6条における「継続的な監督」の具体的な措置が求められてきています。

第12回授業12th

C. 今更ですが,COPUOSや関連する団体等の資料の所在をわかりやすく解説していただけているので,資料検索の足掛かりに役立てさせていただいております.

A. コメントをありがとうございます!講義のコンセプトは「講義が終わった後でも自分で最新の動向を追えるようになる」ですので、お役に立っているようでしたら嬉しいです。とくに近年、国連のHPは情報がどこにあるのか分かりにくく・・しかも、たまにページ構成も変わります!一生懸命追って参りましょう!

C. STMを機能させるには、宇宙で何がどこにあるのか把握する必要があり、そこで重要になるのがSSAであることが分かりました。SSAはデブリの衝突リスクを予測する情報の目のような存在であり、情報収集、分析の役割を果たした上で、その情報をもとにSTMが交通整理を行うという関係性なのかと感じた次第です。今後ますます衛星打ち上げ等活発化する中で、SSAとSTMの両輪がそろうことで持続可能な宇宙利用が実現できると感じました。

A. まさにその通りですね!以前はSSAというと軍事システムという印象が強かったのですが、いまや宇宙の持続可能な利用を支える重要なツールとして、公共性が高まっているかと思います。SSAを扱う民間企業が出ているのもデータの信頼性を高める上で良い傾向ですね。

C. 商用衛星コンステレーションをはじめとして地球周辺の軌道がいかに混雑しているか、それにともなって宇宙空間から地表面に至るまで様々な課題が生じていることを実感しました。
また、前回の資源採掘技術に引き続き、デブリ観測・回収等の「ゴミ拾い」としてイメージされるような技術もデュアルユース技術であることを認識できました。民間主体等の存在感も増している一方で、Space Fence の例をみても国家主体・軍が宇宙分野では重要であり続けるのだろうと思います。軍事と民生を区別する法の枠組みがどこまで機能するのだろうと疑問に感じる一方、切り分けているからこそ様々な議論が進んできたのだろうとも考えるところです。

A. 本当ですね。国際法にとって重要な課題です・・軍事と民生とをどう区別するのか・・。次回の講義でも衛星通信へのジャミングが、他国が勝手に流す衛星放送から自国の文化や思想を守るため・・となれば、合法となりかねないです。軍事作戦中のジャミングでしたら国際通信法は適用されません・・。次回の講義で議論しましょう!

C. 近年、ASAT実験によるデブリ拡散だけでなく、メガコンステレーションの流行により宇宙物体が飛躍的に増大しており、デブリ低減技術、宇宙状況監視(SSA)、宇宙交通管理の仕組み作りが必要になっている情勢がよく理解できました。 以前のコメントとも重複しますが、日本企業アストロスケール社が事業展開しているようなADR(積極的なデブリ除去)技術は、飽くまで純技術的観点で見れば、攻勢的なRPO(ランデブー・接近オペレーション)又はいわゆる「キラー衛星」とも共通するものであり、結構機微な性格を有するものだと認識しました。ゆえに、透明性やルールへの準拠が重要になってくるでしょうし、今後もデブリ低減技術の動向と安全保障との関係を注視する必要があると思いました。

A. コメントをありがとうございます。宇宙技術はデュアルユースですので、情報提供に徹し、あまり声高に「宇宙安全保障のため!」と言わない方が良いのですが・・。日本は宇宙安全保障の用語を、宇宙空間の安全な利用もしくは持続可能な利用と同じ文脈で謳っています(宇宙基本計画など)。COPUOS法小委でも日本の代表者が「宇宙安全保障を優先する宇宙基本計画ができた」発言し、会場がざわつきました(私もその場におりました)。宇宙安全保障は、どちらかというと、「宇宙空間における自国の国家安全保障」を意味します。日本としての定義を明確化することが大事かと思います。

C. 宇宙デブリ問題はSTMの制度化を促す要因となりうるか?

A. はい!その通りです。もはや安全な宇宙航行を確保するためには、宇宙デブリ問題は回避できない事案です!以前は別の問題として扱われましたが、トランプ政権(第1期)がSTM政策を打ち出して以降、同じ文脈で捉えるようになっております。

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