授業に対する質問・コメントQeustion and Comments

第3回授業3rd

Question / Comments Answer
C. だんだんと内容が難しくなってきて
少し困惑しています。
予習と復習をしっかりしないと
いけないなと感じています。
A. ご安心ください!今日の宇宙損害責任条約が一番難しい内容です。今後も何度か出てきますので、その都度ゆっくり説明しますね。今日はいろいろな事例を混ぜてしまったので、次からはもっと明確な説明を心がけたく思います!(シラバスの文字も大きくしますね。)
Q. 責任免除の具体例はありますか? 宇宙損害責任条約を適用しての解決例自体がないため、責任免除の具体例は残念ながらありません。一方で、国際宇宙ステーションの政府間協定(Inter-Governmental Agreement)では、請求権をはじめから放棄する条項(Cross-Waiver条項)が盛り込まれたりしています。11月12日の授業で紹介しますね。
Q. 全額賠償原則の例外では@自国民と
A打上げに参画・もしくは招待されて
いる外国人は請求できないと
ということですか。
それとも賠償が保障されて
いないのですか?
A. この第7条、誤解を生じやすいですよね。説明が足りずすみませんでした。国民は自国の政府に対して賠償を請求できますし、外国人もホスト国に請求できます。ただ、その場合国内法で十分対応できるため、国家間で生じた損害を対象とする本条約からは、適用外となるわけです。
C. 宇宙の損害賠償問題の初めての
判例が日本と知って驚きました。
国際法の授業で聞いたことが
なかったので(覚えていないだけ
かもしれませんが・・)新鮮でした。
A. ほんと、私もびっくりしました。・・おおっと、1点確認させてください。「判例」とは国際裁判(ICJなど)の先例(判決・判断)をいいますが、宇宙法には国際裁判がないため判例はなく・・・。宇宙賠償責任条約ができる前に、日本政府の代表者が「貨物船がシベリア沖で宇宙物体の破片で損害を被った」と宇宙平和利用委員会の法律小委員会に報告した、と書いてあります。(教材35ページ)これを契機に条約の起草が進んだわけですが、あくまで「事例」です。ですが「a perfect test-case」なんて書いてあると、誤解を生じやすいですよね。
C. 事故が起こればさまざまな国が
絡むだけに、想定をどこまで
するのかも難しいと思いました。
(国内法が適用されるのでしょうか)

A. 本当ですね。宇宙活動におけるパートナー国間では、政府間協定や覚書(MoU: Memorandum of Understandings)といった多くの文書が交わされますし、実際には私企業間の契約もあるため、事故が起こった場合にすぐに被害者を救済できるかどうか、課題も多いです。国内法で済む範囲(自国民の救済など)は国内法が適用されます。

C. (11月末の)ワークショップ
面白そうなのでHP見て
みようと思います。
A. ぜひ!Space Generation Workshopといって、APRSAF(アジア太平洋宇宙機関会議)という国際会議のサイドイベントになります。私もspeakerとして参加するので、参加を決められたらメールをください。登録方法がわからないですよね・・。主催者に聞いてみます。→参加登録のサイトに不具合が生じているようです。参加を希望される方は私の方までメールください。
C. チョークが薄いので、もう少し
濃く書いて欲しいです。
A. 了解しました!本当ですよね・・次回改善を試みます!また気が付いたことがありましたらぜひ教えてください。
C. 宇宙における損害賠償と民法に
おける損害賠償の扱いが違って
国外と国内の法の違いを感じた。
A. 本当ですね。一般国際法の観点からみても、宇宙法は損害賠償ので大きく異なります。模擬裁判の問題を使ってより理解が深まるよう説明を工夫していきますね。
C. 損害賠償請求に関して
請求委員会の決定は同意がなくても
コメンタリーにはなるのか
それとも無視できるものなのか
疑問に思いました。
A. 請求委員会がいまだ設置されたことがないため、国家実行が集積されていませんが、第19条2項によりますと、同意がない場合の裁定は勧告的意見になるものの「両国は誠実に考慮すること」が求められています。確かに法的拘束力はありませんが、さすがに完全に無視、というのは批判が生じるかもしれません・・。
C. 損害賠償請求に関してですが
被害調査に軍用機を使用するため支援の
受入を断るケースがあるようですが
泣き寝入りにすることになると思うので
今後どのように解決しようという流れに
なっているか知りたいです。

A. ありがとうございます。一般論として、地上での自然災害における海外援助を断る際、その理由の一つに海外の軍用機(もしくは軍)を自国に持ち込んでほしくない、という事情があるとお話しました。一方、教材を見る限り、コスモス965事件の際にカナダが旧ソ連の現地調査支援を断った、という理由が明記されていないので、はっきりとした理由は分かりません(教材には宇宙救助変換協定の適用をロシアは主張した、とありましたね)。私の引用から紛らわしかったですね。すみません。

さて、泣き寝入り・・本当ですね。泣き寝入りする国を少なくするために、国連登記簿というものに宇宙物体を登録する制度があります。来週の授業「宇宙物体登録条約」で説明しますね!

Q. 宇宙に関する有名な映画は
どういったものがありますか?
A. 今日はアポロ13号を短い時間で紹介しましたが、記憶に新しいものでは「ゼロ・グラビティー(無重力)」という3D映画がありました。宇宙を題材にした映画はたくさんあるのですが(エイリアンなど)、リアルに衛星による諜報活動を感じるものに「エネミーオブアメリカ」というものもありました。たくさんありますので、今度授業でみんなに質問してみたく思います!
Q. 宇宙損害責任は国家対国家ですから
手続きの時間も遅いと思います。
かつ賠償金は国家に対して
支払いますから、損害を受ける個人が
賠償金をいくらもらえるのかという
疑問があります。
A. 確かに個人に賠償金が支払われるまで、どれほどの時間がかかるのか、というのは宇宙活動国にとって重要な課題ですね。請求国に賠償金が支払われた後は、その国の国内法の話になってきます。宇宙活動国の中にはしっかりとした法制度を備えている国もありますので、この観点から調べると面白いかと思います。
Q. 個人が賠償金の支払を待っている間に
もし損害が拡大したらその部分の賠償は
どうなりますか?
最初の賠償金に含まれますか?
A. 教材でも「間接損害」のことに触れていましたね。因果関係などをどう評価するのか、その基準がないと著者は批判していました。宇宙損害責任条約の解釈の問題になり、ケースバイケースで検討される点かと思います。模擬裁判でもこの論点がよく議論されます。
C. 賠償についての保険はどうなって
いるのでしょうか?
例えば原発では原賠法で保険加入が
義務付けられているようですが
宇宙活動についても同様に
保険を強制する可能性はありますか。

A. はい!宇宙保険というものがあります。確か東京海上火災も扱っていたかと思います。商業打上げ活動で宇宙保険に入ることを義務付ける国内法もあり、特に第3者損害賠償の観点で必要と考えられています。12月17日から宇宙の商業利用について授業で扱いますが、もう少し早い談かいで宇宙保険の概要を説明したく思います。

C. 英語が苦手ですが頑張ります。

A. ・・分かります・・英語は・・・1文がやたら長いと・・・気が遠くなることがあるかと思います。教材でも長い文が多く見受けられます。そんな時は、いわゆる「主節」を探してみてください。対語の「従属節」というのはWhen, Where, thatのあとの文ですね。それらは一旦無視して・・・見つけた主節はマーカーで色づけをしたりして、一番大事なメッセージを浮き彫りにしてみましょう。こうして概要がわかると面白くなってきます!そのうち「主節」が楽に見つけられるようになれば、英語の上達を実感できるかと思います。

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第4回授業4th

【先週、模擬裁判の問題文の和訳をみなさんにお願いしました】

Question / Comments Answer
C. 模擬裁判の訳は一文が長すぎて
どう訳していいのか
迷ってしまいました。
A. 一文一文がとても長くて訳しづらい問題でしたね。ときには一文を2つに分けてもいいかもしれません。お疲れさまでした!
Q. ある登録国から出た、または
外れた部品が宇宙に浮遊したら
やはりその登録国の責任に
なるのですか?

A. 部品がただ浮遊していること自体には責任は生じないですが、それが他の国に損害を生じた場合に賠償責任が生じます。一方、事故は生じていないものの、衛星の安全を確保できるのは、その宇宙機(部品)に対して管轄権・管理権を持つ登録国ですね。

「ねじ」や「ペンキのはがれ」まで管轄権・管理権が及ぶのか?そもそもそれらは宇宙物体なのか?という議論は宇宙物体登録条約の起草過程およびその後も長く議論されているところです。(一時は「ねじ」までも登録国の刻印をするべきだ、という主張までありました。)

C. 一度宇宙法に関する条約集に
目を通してきます!
模擬裁判の問題文の論点を
把握できるか・・
全体像の把握難しかったです。
A. 今回は問題文の和訳を集めただけですので、全体像は翌週授業でお話したいと思います。また、私も日本語の文献を用意していくようにしますね。
C. 模擬裁判の和訳をやってみて
専門的な用語が分からないということも
やりにくい原因の一つでしたが
何より宇宙に関する知識がないので
文章を読んでいてもイメージしにくく
訳が適切かどうか判断しにくくて
難しいと感じました。

A. 同じ意見を他の方からもいただきました。なるほど、宇宙自体に関する知識ですね。身近なプラネタリウムでしたら大阪市立科学館明石市立天文科学館などがあるようです。一度JAXAの筑波宇宙センターに見学でもいけたら・・とも思いますが・・。

youtubeで宇宙を概観するクリップがありましたので、一応紹介のためこちらに載せておきます。何かほかにいい案が見つかりましたら授業でご紹介しますね(専門家を呼ぶなど)。

C. 今朝のニュースで、米のロケットが
打上げに失敗し炎上したと聞き
無人ロケットではあっても爆発で
周囲の建物や土地にかなりの
損害が出たのだろうなと思いました。
あまり詳しく報道されていなかったので
(いろいろ)調べたいと思います。
A. 授業が終わってからネットで知りました・・すごい事故でしたね。NASA WatchというNASAのニュースサイトのトップページでは事故の一部始終の動画が見れるようです。少し打ちあがったように見えるのですが、その後かなり大規模な爆発でした・・。何かわかりましたらぜひ教えてくださいっっ!
C. 大阪工業大学の電車広告で
「名残の月にヘリウム3を思い出したら、
君には進むべき道がある。」
っていうのをこの間見たので
タイムリーだ!と思いました。
月の話、楽しみにしています!
A. ありがとうございます!その広告、私も探してみます。それでは気合いをいれて来週の授業に臨みたく思います!
C. 翻訳をしているときは、
特に固有名詞が
何を指すのか分からない段階では
訳しづらかったです。
前の文にもどって固有名詞や
専門用語を確認した後は
だいぶ訳しやすくなりました。
A. 本当ですね・・だいぶ無茶ブリをしてしまいました。専門用語だらけの問題文をいきなり分担作業にしたので、冒頭の内容が分からないまま途中のパラグラフを訳すのは、大変難しかったかと思います。すみません・・。来週、あらためて内容を整理していきましょう!お疲れさまでした!
Q. 宇宙物体登録国と、
この登録についてのすべての情報は
一般に公開されていますか?
A. はい、公開されています。宇宙物体の国連登録簿はインターネット上でアクセスできます。登録簿上の情報検索サイトはこちらになります。ですが・・なんだか検索づらそうな感じです・・。
Q. 個人が損害を受けて、交渉あるいは
提訴する場合、登録国は
探しやすいですか?
A. 個人が損害を受けた場合、国内の機関が損害を確認し、外務省を通じて打上げ国(もしくは登録国)と交渉を始めるかと思います。ネット上に情報は公開されていても、その正確な確認には関連省庁の関与が必要かと思います。
Q. 専門用語が分からない場合、
どうしたらいいでしょうか?
(PCで検索してもほとんどが
参考にならないので)

A. 専門用語は、その分野でしか使われない訳語などもありますが、身近なところではGoogle Scholarなどで「論文中」に使われている訳などを探してみるのも手です。何本かの論文が見つかりましたら、その訳語で一応大丈夫・・となりますが・・。条約に関する訳したら外務省のHPなども参考になります。

C. 宇宙を題材にした映画は
たくさんあるので、授業で得た
知識などを念頭に(小ネタでも)見ると
また違った楽しみ方ができそうだと
思いました。SFになると
またちょっと話が
変わってしまいそうですが。

A. 面白そうですね!エイリアンに対して攻撃してもいいのか・・なんていったら、国際法の枠からすぐにはみ出しそうです・・。技術的にも「これ無理だよね・・」という小ネタもあるようで、「エネミー・オブ・アメリカ」で衛星が急に軌道を変える場面など、技術的にありえなかったり・・。一方で、宇宙戦艦ヤマトなどはかなり忠実な軌道設定をしており、専門家の間ではよく話題になります。

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