授業に対する質問・コメントQeustion and Comments

第1回授業1st

Question / Comments Answer
C. 殆ど知見のない(職業柄それも如何なものかとは
思いますが)航空宇宙法の講義を受けるにあたり
やや緊張しておりましたが
先生の温和な語り口と笑顔のおかげで
楽しく学ばせて頂きました。
さて、講義中にお尋ねした不戦条約との
関係ですが、調べたところやはり私の 誤認であり
1919年のパリ条約とは何ら関係のない
ものでした。 基本的なところで間違った質問を
してしまい申し訳ありません。 今後注意致します。
これにめげず今後も素人質問をさせて
頂こうと思いますが、
どうかご寛恕頂ければ幸いです。
A. ご丁寧にありがとうございます!いえいえ、質問は不確かと思われても、ぜひご発言くださいね。私もその場で分からない時には、調べて、後日このHPにてお答えさせていただけたらと思っています!どうぞよろしくお願い申し上げます。
C. 第1回の講義、ありがとうございました。
資料の形式は整っていて見やすく
内容は導入に相応しかったように感じました。
質疑応答の雰囲気も良く
自由にお話しできる状況を作って
いただいたように思います。
引き続きよろしくお願いします。
A. コメントありがとうございます。自然に質問が出てくるような、自由な雰囲気で講義を進められたらと思っております。次回も楽しみましょう!こちらこそよろしくお願い申し上げます。

Q. ソフト・ローの法的拘束力について質問です。
法的拘束力がないが故の区分である
ソフト・ローですが、
宇宙分野において国家間の争いが生じたとき、
ソフト・ロー違反に基づく責任を
追及されることはあるのでしょうか?
         責任を追及されるとすれば、ソフト・ローが
国際慣習法として評価されたとなるのか、それとも、
単に事実の評価の問題としてソフトロー違反が
相手方の責任を重くする事情として扱われるのか、
どちらでしょうか?          
(用語の用法・表現に誤りがあれば申し訳ありません!)

A.ご質問いただきありがとうございます!仰るとおり、 ソフトロー自体は法的拘束力がありません。 ですので、原則、その違反に国家責任は生じません。
ただ、ソフトローの形成過程や批准国の数によっては ソフトローのなかでも より法的意義・法的示唆に富むものが存在します。
また、ソフトローの一部(ガイドラインの一部)が 国際慣習法や、すでに条文にある原則を反映したもので あることは多いです。
特定のソフトロー(もしくはその一部)が、 すでに慣習国際法となっていると言えれば もちろん国家責任が生じます(=責任が追及できる)が 慣習国際法はそれほど簡単にできませんので・・。
ソフトローは、条文の解釈に使われたり、 他の規範(「過失」や「妥当な考慮の欠如」)を 立証する場合、または、国際義務の存在の立証の 補足説明として引用される、のが主かと思います。
ただ、実際はといいますと・・
例えばASAT実験を中国・インド・ロシアが行った際、 ASATを禁止する条約はありませんが 多くの国が国連内で批判し、 有識者、政治家、メディアも批判します。 そして、そこでは宇宙条約とともに ソフトローである 宇宙デブリ低減ガイドラインが引用されたりします。
裁判の内と外とでは、ソフトローの扱いも違いますが COPUOS内では 「コンセンサス」が得られなければ条約ができない状況ですので
ソフトローといっても形成過程や批准国の数によって 法的意義に濃淡があり、個別に検討が必要・・と 今の時点ではお考えください。
また宇宙法の講義が始まりましたら この点に留意してご説明したいと思います!
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第2回授業2ne

Question / Comments Answer

C. 授業を受け、最も興味深く感じたのは、
領空主権の垂直方向に及ぶ範囲です。
空気の有無で分けるのは分かり易く思う反面、
先生の「でもその高度は今バンバン人工衛星の
行き交っている高さですよ。」
とのご指摘には非常に納得がいきました。
また、受講生の海面スレスレを飛ぶ飛行物体は
海洋法か航空法かどちらを適用すべきか
との質問も興味深く思います。
エアークラフトなどは船舶として
海洋法を適用するようです。
次回以降も宜しくお願い致します。

A. コメントいただきありがとうございます!実際に飛んでいる物体に どう航空法や宇宙法が適用されるのか、と考えると 想像が広がって面白くなりますよね。 この分野は想像力が大事かと思いますので ぜひ気負わずに楽しんでいただけたらと思います。

Q. 宇宙資源法5条が保障する
採掘等をした宇宙資源の所有権ですが、
国際法上(国家間の関係上)、
この所有権はどの程度保障されるのでしょうか?
(宇宙資源分野は国家間競争が行われている分野であり
他国の所有権について批判すると
自身に批判が跳ね返ってくるため、特に所有権の分野は
当面の間あいまいにした方が互いの利益になると
いった考え方はあるのでしょうか?)
ispaceの月着陸実験において、
月の水資源調査のための土採取と
その採取物の販売を一つの目標として
いるらしいという情報を聞き、
お伺いしたいと思った次第です。
よろしくお願いします。

A. ご質問ありがとうございます。日本国内の宇宙資源法ですね。国連内においても、宇宙資源の所有は「天体の専有(宇宙条約第2条で禁止)」 であると批判する発展途上国はまだまだあります。
一方で、学説上および宇宙先進国では 「天体の専有と、掘削した資源の所有・利用とは異なるものであり 後者は第2条に抵触するものではなく、合法である」 と解釈しています。
2015年に米国が民間企業に宇宙資源の所有・売買権を付与する 国内法を制定したので・・論争が起きました。 このため、2017年から正式に国連宇宙空間平和利用委員会の 法律小委員会内で、宇宙資源WGが設置され 現在も議論が続けられています。
宇宙法の講義の中盤でも説明しますが・・。
日本の宇宙資源法は、世界でも4番目に作られたもので 正直、米国・ルクセンブルグ・アラブ首長国連邦とともに いまだ批判的に解釈される傾向にあるかと思います。 国連内で決着がついていないのに 国内法で民間企業に所有権・売買権を認めているからです。
ただ、政府も、民間企業の宇宙ビジネスを きちんと「規制」するために国内法を制定しています。 ですので、宇宙資源を独占する意図ではなく、 民間企業の規制目的だと説明すれば・・批判されない・・です。 (それでも批判的に解釈する国はあるかと思います)
ispaceはNASAに販売するといっても、なだ比較的「微量」です。 これが、すごい量を掘削するレベルとなったら 改めて国際議論の的となってくるでしょう。
・・なんとなくご理解できそうですか? ご関心を持っていただけて嬉しいです。
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