授業に対する質問・コメントQeustion and Comments

第5回授業5th

Question / Comments Answer

Q. ライド17枚目の宇宙条約第2条について
「宇宙空間占有禁止原則」と記載されているのですが
宇宙条約を我が国が批准する際の
国会会議録(第55回国会衆議院外務委員会
議録第19号(昭和42年7月14日)8頁)を参照すると
同条は禁止規定ではないのでは
ないかとの質疑に対し、当時の外務省は
それを認める旨の答弁を行っているようなのですが、
外務省(あるいは我が国以外の締約国)としては
禁止規定という認識なのでしょうか。

A. ご質問ありがとうございます。「(当時の)外務委省としては・・」という点は分かりませんが、国内外の専門書を参照しても、天体および宇宙空間の領有を禁止するものと説明されています。ただ、よく「宇宙空間非専有原則」と訳され、英語でも"non-appropriation principle"と書かれます。内容の解釈では「禁止」と書かれていますが、条文ではprohibitの言葉を使っていないので分かりづらいですよね。

C. 海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)の
発展の歴史を見ても、必ず大国の意見が優先されがちで、
何か大きな事故・事件が起こって初めて
譲歩が見られるという傾向があると思いますが、
宇宙でも似たようなことが起きている印象です。
大きな犠牲なしに適切な妥協点を
見出すことはできないものかと思ってしまいます。
今回は宇宙ならではの問題(占有権や
自衛権の問題、軍民のデュアルユースの問題など)
を知るきっかけになって良かったです。
特にスライド8ページの問題では、
集団的自衛権の問題や先制的自衛権の問題で
どの段階で自衛権の行使が可能かは
先制的自衛権、いわゆる敵基地攻撃の問題も
さることながら、発射されてしまった
ミサイルに対しては、法的な問題よりも
軍事的必要性を優先して、いつでも自衛権が行使できる
法的枠組みが必要なのではないかと感じました。
(日本の装備しているイージス艦やPAC3でも、
撃墜しやすいタイミングが異なるそうなので、
発射されたミサイルがどの段階に入ったら
撃墜可能でそれ以前は撃墜不可能と
法律で一律に定めるのには限界があるのでは、
と感じました。)

A. コメントありがとうございます!ICBMは通常兵器であるため、その使用についてなかなか多国間条約で規制することが難しいでし、発射から撃墜までの時間も短いため、あらかじめどこからを自衛権発動の範囲と捉えるか、明確にしておく必要がありそうですね。

Q. ベトナムは日本が批准した
宇宙救助返還協定、宇宙損害責任条約、
宇宙物体登録条約という3つの条約を
批准していません。
理由を検索してみましたが、ベトナムの中には
話題になっていないので情報が出てきません。
おそらく、宇宙開発や技術などの場面は
発展しておらず、これらの条約についてまだ政府は
検討していないかと思っています。

A. 調べてくださりありがとうございます。宇宙条約だけ批准している状況なのですね。宇宙ミッションが増えていくにつれ、批准を検討していくのかもしれませんね。

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第6回授業6th

Question / Comments Answer

C.スライドの8ページで、
ことが起こってからの対応が遅いなと感じました。
サイバーの分野でもそうですが、
技術が高かった者(国)勝ち、やったもん勝ちで、
なおかつやられた側(損害を被った側)が
泣き寝入りの構造があるように思います。
海洋法の歴史もそのような面があると思うのですが
事例研究をした後はだいたい何だかもやぁっとした
気持ちになるのは私だけでしょうか
(特にサイバーの分野で北朝鮮にによるハッキングが
ほぼ断定されているにも関わらず、
決定的な証拠がなかったり北朝鮮が認めないことから
野放しになっているのがもやもやするのですが、
同じような感じがします…)。
宇宙もサイバーも、早く条約で
律せられる世界になればと思います。

A. コメントをいただきありがとうございます!本当ですね。国際法を遵守することは、国際社会では信頼を得るという外交上の利益も多いです。ですが、事件が起こらないとなかなかコンセンサスに至らない場面も多いのが事実です。2007年に中国がASAT実験をした直後に国連宇宙デブリ低減ガイドラインができましたし・・。諦めずに国連総会第1委員会や第4委員会での議論も引き続き追ってみていきましょう!

Q. メインの内容からは逸れますが
ASAT実験のところで引用されていた
グラフに関して、どのように
スペースデブリの数をカウントして
いるのだろうかと
とても気になりました。

A. ご質問ありがとうございます!現在運用中の衛星や宇宙デブリは一度カタログ化して、データベースに登録してあります。ですので、軌道上の移動も追跡しています。関連ニュースはこちら
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