授業に対する質問・コメントQeustion and Comments

第7回授業7th

Question / Comments Answer
Q. 商業・民生利用に関してはUNCOPUOSで
議論が行われ、国際法やソフトロー
の制定など具体的な動きをみることが
できるのですが、軍事利用に関して
議論が行われているジュネーブ軍縮会議
では、法的拘束力のある国際法やソフトローの
制定といった成果は出ているのでしょうか。

A. ご質問ありがとうございます!軍縮会議が選ばれた理由がそもそも政治的な話を自由にするため、という目的ですので、国際法やソフトローについての議論はなされていません。しかし、同じくジュネーブにある国連軍縮研究所(UNIDIR)ではワークショップやシンポジウムが開催され、ソフトローについても議論がされています。

Outer Space Security Conference Series

Q. 月協定についてですが、ネットで調べた限り
「月協定」を出す目的の一つは「月が
軍事化されることを防止する」みたいですが
授業の資料を見ると、1979年に発効したのに
2010年までの批准国数はわずか13か国しかない
ようです。しかも米・露・英みたいな月開発について
先進国が批准してないようですので
「月協定」の実際の 実行度合はどの程度にあるのか
については質問があります。
A. いい質問ですね!月協定第3条は1967年宇宙条約第4条よりも「平和利用」について厳しく規定されています。その意味で、「非軍事化の目的」で制定された、とも解釈できますが、そのほかにもいくつか重要な原則が盛り込まれています。批准を妨げる原因とも評される第11条「人類の共有財産」ですが、やはり批准国が少ないこと(特に宇宙先進国の批准が少ない)ことから、条約としての実効力は低い、と考えられています。
ページトップへ戻る

第8回授業8th

※今日は模擬法廷ラ・クールで実際に英語で弁論する練習に取り組みました。お疲れさまでした!

Question / Comments Answer
Q. ASAT使用の国際法上の合法性についてですが
Conventional ArmsとしてASATは認定されていますが
Nuclear Energyを搭載することにより、
1967年宇宙条約第4条違反になるのでしょうか?
A. ご質問ありがとうございます!原子力電池を搭載した衛星は通常、太陽光の届かないような深宇宙(Deep Space)探査に使用されます。一方で宇宙条約第4条では「地球軌道」に核兵器を含む大量破壊兵器を配備してはならない、と規定していますね。つまり、地球軌道以外であれば第4条違反にはなりません。
C. 宇宙法の(模擬)仲裁が面白いですね。 A. 本当ですね!楽しんでいただけましたら幸いです。ちなみに宇宙法の場合は「模擬裁判」になります。(模擬)仲裁は国際投資法や商事法などの場合になります。
C. 模擬裁判の経験がありましたが、発表する時は
やはり緊張してしまいます。
少し知識が浅いので不安感が高くなってしまいます。
A. 急な弁論練習にも関わらず、ちゃんと説明できていましたよ!人前で、しかも裁判官の前で弁論するのは緊張しますね。来週も模擬法廷で練習しますので、少しずつ慣れていきましょう!
Q. 衛星の話を聞いて、本当に面白いと思います。
衛星がを射した後の破片の処理はいつもどうされるのか
についても興味深いです。
衛星の発射は技術とお金があればどの国でも
発射できますか?もしくは何かの国際機関に
報告/通報してから発射できるようになるのですか?
衛星発射の自由は国の主権の一つですか?

A. 質問ありがとうございます!衛星の打ち上げは1967年宇宙条約第1条「宇宙空間自由の原則(宇宙空間を自由に探査・利用できる自由)」が規定されていますので、すべての国に認められる権利です。関連する国際機関には事前通報が必要ですが、ICAO(国際民間航空機関)やIMO(国際海事機関)などが該当します。宇宙空間ではどの国も主権を主張できないので、どちらかというと打上げ活動は国家の権利に基づく活動であって、「主権に基づく」とは言わないのが通常です(1967年宇宙条約第2条「専有禁止の原則」の関係から、宇宙空間で主権を主張することは禁止されているため)。

C. 今回ラ・クールの見学で、FDI(模擬仲裁)で
勉強した事が全部忘れていました。一回経験
した事でも、練習しないと努力した分は
無駄になってしまう事が分かりました。
このような機会をいただきまして、
本当にありがとうございます。
A. お疲れさまでした!急な弁論練習にも関わらず、ちゃんとチームの紹介など英語でできていましたよ!!素晴らしいです。来週もラ・クールでの練習になります。ぜひ楽しんで取り組みましょう!
Q. 対衛星破壊兵器の合法性の話題で、1985年旧ソ連が
米国の衛星に攻撃したとありますが、
具体的にどのような攻撃があったのでしょうか。
また、旧ソ連の攻撃の対して米国あるいはNATOは
報復措置を検討しなかったのでしょうか。
さらに、旧ソ連は何らかの責任を取らされることは
なかったのでしょうか?
A. 大変申し訳ありません。私のレジュメが誤解を生じさせてしまいました。先週配布した論文の冒頭ですが、「The Third World War」という大セラーの本が引用されています。授業で「これは小説なんですが」とちらっといいましたが、レジュメだけを見ると、あたかも事件があったかのような書き方でした。修正したバージョンを本HPに上げています。本当に失礼致しました。
Q. 商業衛星打ち上げについてですが、
打ち上げ失敗を明白に分かる時点でそのロケットを
爆破した際、受注した他国の商業衛星も
一緒に破壊されるとします。
打上げ国のミスによる他国の利益損害について、
打上げ国は賠償金を支払う義務はありますか?
A. 質問ありがとうございます!本当ですね。実務家には切実な問題ですね。ちなみに日本はまだ1度しか指令破壊をしたことはありません(2003年)。打上げ契約において賠償責任についてはすでに決めていると思いますが、打上げが行われる前に「宇宙保険」に加入する条件や、一定の限度額を超えた場合は国が補償するなど、各国それぞれ国内法で規定しています。日本や米国、欧州の例などぜひ調べてみてください!来年度は宇宙保険のエキスパートを講演にお呼びできないか画策してみますね。
ページトップへ戻る
Copyright (c) 2013 Yuri TAKAYA All Rights Reserved.